2024年3月1日、勉強会を行いました。
酪酸菌の作り出す酪酸が増えると、大腸壁の齊傍の働きが活発になり、
酸素が消費され、腸管の中に酸素が無い状態になります。
その結果、酸素があると活動する病原性大腸菌やカンピロバクターが減り、
酸素が無いと乳酸菌やビフィズス菌などの嫌気性菌が活動できるわけです。
腸というのは、口からスタートして肛門で終わる管の一部であり、
外界と通じている部位でもあります。
皮膚であれば何層にも表皮がありブロックできるのですが、
腸は一層しかありませんので、異物が侵入しやすい構造なのです。
ですから、腸内の環境を整える事は非常に大事なのですね。
腸内環境が悪化すると、タイトジャクション(細胞間結合)が弱まってしまいます。
その隙間から細菌やウイルスだけでなく、アレルゲンも血管内に侵入するのです。
つまり、腸内環境が悪化すると、様々な疾患やアレルギー反応が出てくるんですね。
また、免疫が暴走するサイトカインストームを抑える力があるそうです。
免疫であるサイトカインが過剰に分泌され、自分自身を攻撃してしまう自己免疫疾患。
それを鎮めるための「制御性T細胞」を増やしてくれるのが酪酸です。
さらに、健康長寿の方の腸内には酪酸菌が多いというデータもあるそうです。
こんなにもすごい酪酸菌ですが、酪酸菌だけで全て完結できるのかというと、
そんなに甘くはありませんでした。
善玉菌を増やすためのエサである水溶性食物繊維も必要ですし、
定住菌である乳酸菌やビフィズス菌を増やす為に発酵食品も必要です。
そこに酪酸菌があることでようやく腸内環境が良くなるのです。
このように、しっかり腸活しようとすると少し面倒なのです。
しかし、これを簡単に出来てしまうものがハシドラにはあるんです。
フェカルミンゴールドは乳酸菌、ビフィズス菌、酪酸菌だけでなく、納豆菌が入っています。この納豆菌が善玉菌のエサを作ることができるので、そのほかの3菌が思う存分力を発揮できる構成になっていますよ。
さて、善玉菌を増やす方法として食物繊維は欠かせませんが、
食物繊維には高発酵性と低発酵性のものがあります。
腸内細菌により発酵されやすい高発酵性食物繊維は、
善玉菌のエサになりやすく腸内環境を整える力が高いのです。
高発酵食物繊維で有名なものがイヌリンですね。
腸内環境を整える力は申し分ないのですが、低分子の高発酵性食物繊維であるので、
お腹が弱い方はお腹が痛くなったり、ガスが溜まったりしてしまいます。
そもそも、腸活をしようという方はお腹が弱い事が多いですから、
低分子の高発酵食物繊維は使いづらいと感じている方が多いのではないでしょうか。
そんな方にお勧めできるのが、高分子の高発酵食物繊維であるグアーガム分解物です。
ゆっくり発酵してくれるのでお腹がゆるくなりづらく、善玉菌のエサになってくれますよ。
そのような方はグアーガム分解物の商品「サンファイバー」を使うと宜しいですね。
ちなみに、難消化デキストリンは低分子で低発酵です。
耳鳴りの漢方について勉強しました。
耳鳴りというのは音がしていないのに音を感じてしまう症状です。
外部からの音は鼓膜で振動に変換され、その奥にある蝸牛に伝わります。
蝸牛の中にある有毛細胞で振動をキャッチするのですが、
この有毛細胞が減っていくと音を聞く能力が低下して加齢性難聴になります。
難聴になりますと、音を捉えようと頑張りすぎてしまい、
興奮した脳が音を補おうとして耳鳴りが発生すると考えられています。
治療法としては、安定剤などをつかった薬物療法や音響療法、また、漢方薬が使われています。
ドラッグストアでも漢方薬であれば購入可能ですが、種類がありますのでいくつかご紹介いたします。
まず漢方では、耳に気血がしっかりと届いていないと耳鳴りになると考えます。
気はパワー、血は栄養物質だと考えてください。
つまり、気血が循環していない、若しくは足りないと
耳を養えない為に耳が正常に機能せず耳鳴りが起きると考えます。
【気血の循環が悪い場合】
気血が足りているのに循環出来ていない原因は、
余計な水分であることが多いです。
余計な水分は、気血循環の邪魔になりますので届きにくくなります。
外部から湿気が体に入ってくることもありますし、
五臓六腑の失調によって水を捌けずに停滞してしまうこともあります。
こんな時には苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)や
気上錠(きじょうじょう)が有効です。
【気血が足りていない場合】
次に、気血が足りない場合ですが、これは一時的な五臓六腑の失調ではなく、
久病や年齢を重ねたことで出てきた症状ですので、
五臓六腑、特に五臓の中でも肝腎を立て治さないといけません。
長年かけて消耗した肝と腎を補うにはそれなりの時間が必要になりますので、
根本治療と共に、対症療法を合わせていく必要があります。
そんな時には、七物降下湯(しちもつこうかとう)や
滋腎通耳湯(じじんつうじとう)を使っていきます。
どちらも当帰、芍薬、川芎、地黄の四物湯(しもつとう)をベースにして
補血活血させるようにしています。
七物降下湯に含まれている釣藤鈎(ちょうとうこう)という生薬が
血液脳関門を開かせる効果もあるそうで、
他の薬剤が通れるようにしてくれるのだそうですよ。
滋腎通耳湯は、熱を冷ましてくれる効果もありますので、耳鳴りがあって、
カッカしてほてり易い人、イライラしている人に向いていますね。
【年齢と共に弱るのは腎】
七物降下湯、滋腎通耳湯どちらにも補腎ができる地黄が入っていますが、
腎虚の程度によっては、根本治療の補腎をしていくには
ちょっと物足りないかもしれません。
その場合にはレオピンロイヤルを土台にすると、
肝腎だけでなく五臓六腑を強力に助けますから、合わせて飲むと宜しいですね。
【おまけ】
腎虚にも2パターンあり、腎陽虚と腎陰虚があります。
腎陽虚というのは、温める力が低下している状態であるので、冷えがあります。
また、基本的には動きたくない、
歩くときは前かがみでゆっくり歩く特徴があります。
腎虚となると中途覚醒で夜中に起きてしまう症状が出ますが、
腎陽虚の場合、本来はいつまででも寝ていられるのです。
寝ていられるのですが、冷えがあるのでおしっこに行きたくて起きてしまうんですね
ちなみに、勃起不全は腎陽虚からきている可能性が高いようですよ。
腎陰虚は「陰」という「陽」と対するものが少なくなっている状態であるので、
相対的に陽の量が多くなり熱を生じます。ほてりや熱感が出てきますね。
陰陽は、車で例えるとエンジンの熱と冷却システムの関係に似ているんです。
陰虚は、冷却が弱く、熱を抑えきれずオーバーヒートしている状態です。
夜になると、陽が陰の中に入り陰の時間帯となるのですが、
陰虚である為に、陽とバランスが取れず熱の方が強くなります。
すると、陰分が熱に蒸されて表に出てきてしまうんですね。
これが陰虚の方が寝汗をかく理由です。
寝汗でまた津液(陰)が抜けていき悪循環に陥るのです。
陰虚は活動的で一見元気ですが、すぐに疲れてしまいます。
またよく食べるんですね。腎陰虚から2型糖尿病になる事が多いようですよ。
今回の勉強会で、糖尿病に六味丸を使う理由が理解できました。
腎に蓄えられているものを精といい、
腎精が満ちて大人になり、加齢とともに減っていきます。
ですので、腎精が満ちる前つまり赤ちゃんの頃は、皆腎陰虚です。
陰虚であれば虚熱を生じます。特に、陰の時間帯である夜中に起こしやすいのです。
つまり、赤ちゃんが夜中に熱を出すのは当然の事なのですね。
ちなみに、赤とは熱の事を表しています。ゆえに赤ちゃんと言われているそうですよ。