肝臓といえばアルコールの解毒が有名ですが実はそれだけではないんです。
肝臓の仕事は大きく考えると5つあります。
① 胆汁の生成
② 栄養の貯蓄と加工
③ 解毒作用
④ 血液凝固作用物質の産生
⑤ 造血の調節と血液量の調節
このように肝臓は生命活動に重要な役割を担っているのです。
非常に重要な役割の肝臓は、普段は最大能力のすべてを使うことはしません。
障害があると本気を出してカバーするのですが、
これが却って肝臓の弱りに気づきにくい原因でもあるのです。
沈黙の臓器とはここから言われているのですね。
原因はいろいろありますが、
まずはやはりアルコールを摂取することによる脂肪肝ですね。
アルコールを摂取することで肝臓は有害物質の解毒に夢中になります。
その結果、食事で摂取した糖や脂肪を中性脂肪にして血液中に出せなくなり
そのまま貯め込んでしまうことで脂肪肝になるのです。
※飲み会の〆にラーメンを食べたくなっちゃうのはこのためです。
血糖値が上げられないから食べたくなるのですね。
また、アルコールを全く飲まなくても脂肪肝になってしまいます。
食事の過剰摂取で。
こちらも中性脂肪にして血液中に放出できる限界量を超えることで
脂肪をため込んで脂肪肝になってしまうんです。
脂肪肝とは、肝臓が太っちゃった~まあ痩せてた方が良いよね、
で済まされるものではありません。
肝臓の機能を著しく低下させてしまうからです。
つまり、生命維持の機能が著しく低下するのです。
肝臓には予備機能があると前述しましたが、脂肪肝になった時点で
相当危険な状態です。
脂肪肝は肝臓の細胞に脂肪が溜まるのです。
そうして肝臓を通る血管を圧迫させます。
血管を圧迫してしまうと正常な肝細胞に必要な酸素が供給されず、
正常だった肝細胞が炎症を起こします。
この炎症が線維化することで肝臓の機能が完全に失われてしまうのです。
これがいわゆる肝硬変というものですね。
肝臓には肝動脈と肝門脈という2つの血管から血液が流れ込みます。
肝臓から出るところは1つの血管ですので流れが悪くなるわけにはいかないのです。
脂肪肝になって肝臓の血管が圧迫されると、当然血流が悪くなります。
各臓器からも肝臓に流れますから、各臓器の血流も当然悪くなります。
そこで焦るのが心臓です。
なにせポンプ機能で送り出した血液が戻ってこないのですから
そりゃ命の危機だと思ってめちゃくちゃポンプするわけですよね。
これが高血圧です。
肝臓が悪くなると当然のように血圧が高くなります。
私たちが糖分を摂取すると小腸で吸収され肝臓に運ばれます。
その時、肝臓が元気であれば肝グリコーゲンとしてある程度貯めておき、
血液中にちょっとだけ出します。
つまりこの状態であれば血糖値の上昇が非常に穏やかなのです。
ところが、肝臓が弱っていると、グリコーゲンを蓄えることができず、
そのまま血液中に糖が放り出され、血糖値が急上昇してしまうのです。
急上昇した血糖値に対し、膵臓はインスリンの分泌を頑張らなくてはならなくなります。
この頑張りが慢性化することで、やがて膵臓も炎症を起こして
インスリンを分泌できなくなります。
これが糖尿病です。
血糖値の上昇を穏やかにする食物繊維だとかお茶だとかが人気ですが、
そもそも肝臓が元気であれば血糖値の急上昇は予防できるんですね!
・プラスミノーゲン
プラスミノーゲンは、血液の中にある「お掃除屋さんの元」みたいなものです。
体の中で血液が固まって血栓ができると、
プラスミノーゲンは「プラスミン」というお掃除屋さんに変わります。
そして、このプラスミンが血の塊を壊して、血管の中をキレイにしてくれるんです。
この働きのおかげで、血液がスムーズに流れるようになります。
・フィブリノーゲン
フィブリノーゲンは、血液の中にある「傷を治すための材料」みたいなものです。
たとえば、ケガをして血が出たとき、体の中では血を止めるために血液が固まります。
この「固まる」仕組みを手伝うのがフィブリノーゲンの役目です。
・ヘパリン
このヘパリンも肝臓でのみ作られるムコ多糖類で、血液凝固を阻止してくれます。
人体では毎日必ずと言っていいくらいどこかで血管が破れたり血栓ができています。
それでも私たちが生きていけるのは、これらのたんぱく質が活躍してくれているからです。
ちなみにプラスミノーゲン、フィブリノーゲンは肝臓で合成されてから
失活するまでの時間が非常に短いのです。
つまり、いつも肝臓が元気で絶え間なくこれらのたんぱく質を合成させていなければ、
血管というところで見ても生命維持ができなくなるのですね。
・アルブミン
肝臓がアルブミンを十分に作っていないと、
血液中の浸透圧が下がり、血管から多くの水分が漏れ出すのです。
浮腫みの原因でもあり、
また、皮膚から水分が蒸発してシワやシミの原因にもなりますが、
血液の粘性も上がることになりますので、当然詰まりやすくなりますね。
・グルタチオン
私たちが活動すると、細胞の中で「ゴミ」や「サビみたいなもの(活性酸素)」が
たくさん出てきます。これをそのままにしておくと、細胞が傷つくわけですよ。
グルタチオンは、このゴミやサビを綺麗にして、細胞を守ってくれるんです。
さらに、このグルタチオンは肝臓で毒素を分解して、体の外に出す手助けもしています。
つまり、「細胞を守り、体を元気に保つためのお掃除屋さん」なんですよね。
グルタチオンの合成不足でもシミやシワがでますが、
それよりも、体の活性酸素などの排除ができなくなることの方が問題ですね。
●肝臓の弱りをそのままにしておくと・・
上記の通り、肝臓を弱ったままにしておくと生命維持ができなくなったり、
重い病気になってしまいます。
そうならないために、
お酒は控えること、本当なら飲まないに越したことはないです。
それと甘いものは控えること。
特にジュースなどに入っている果糖ブドウ糖液糖は避けてください。
日常生活に運動を取り入れることも必要です。
そのままにしておくと
ある日突然最後の日が訪れてしまいますよ。
暴飲暴食はしないけれども
健康で楽しく、美味しいものも食べたいしお酒も楽しみたい、という方は
ぜひハシドラッグの薬品カウンターでご相談くださいね。