ピュアドリップ葛根湯について勉強してきました。
葛根湯は現代の日本において漢方薬の中で一番有名ですから、
使ったことがある方も多いのではないでしょうか。
風邪の引き始めに、というアレですね。
〇葛根湯という名前だけれど
各製薬会社から多くの葛根湯が出ていますよね。
葛根湯という名前を使う場合、
配合生薬と分量は決まったものでなければならないのですが、
その生薬の質、抽出の仕方などは各社バラバラです。
その為、効果が良いものもあればそうでないものもあるようなのです。
そもそも漢方薬というのはそのほとんどが煎じ薬です。
しかし、医療用でも市販の物でも現代で流通している殆どの漢方薬はエキス製剤です。
有効成分を抽出したものなんです。
また、市販の物は医療用よりも生薬エキス量が少ないことがあります。
これでは、その漢方を使う状況であったとしても
十分な効果が得られない可能性が出てきます。
〇市販で煎じ薬?!
エキス製剤の葛根湯とは一線を画すものが実はあったのです。
それが「ピュアドリップ葛根湯」です。
こちらはエキス製剤ではなく、葛根湯抽出物です。
漢方薬の伝統的な製法を尊重し、本来の成分をできるだけ失わないように抽出・濃縮されています。
これにより、煎じ薬が持つ本来の味や香りを再現することができ、
より高い効果が期待できる葛根湯なのです。
更に、満了処方ですので生薬量を見ても文句なしの葛根湯と言えます。
ピュアドリップ葛根湯は、濃縮されたものをお湯に溶かし、フーフーしながら飲むのです。
これが本来の葛根湯の飲み方なのです。
寒くなってくると、葛根湯の出番が増えてきます。
寒気があって、着込んでも汗をかけないような状況であれば
ぜひピュアドリップ葛根湯を使ってみてください。
〇ちょっとだけ詳しく
風邪の引き始めに葛根湯というのは間違いではないのですが、
使うべきタイミングというのが存在します。
葛根湯を使うのは、寒気があり、着込んでも汗がかけない時がグッドタイミングです。
たとえ引きはじめであっても、汗をかいている場合は使いません。
この状況ですと、項背部が凝る症状も出てきます。
※寒邪が太陽経絡に侵入し、経気が伸びないために引っ張られる
このため、葛根湯を肩こりで使う方もいらっしゃいます。
肩こりで使うのは間違いではないのですが、
前述した通り、この肩こりは寒気が体に入ったことが原因です。
ですので、「この状況の肩こりになら有効」というものなんですよね。
肩こりだというと、葛根湯を大量に処方するドクターもいるようですが、
漫然と服用するのは副作用の危険性がありますのでお勧めできません。
漢方は長期間飲むもの、というイメージを持たれている方もいるかもしれませんが、
そんなことはありません。葛根湯の場合ですと、汗が出たらもう終了のサインです。
汗をかいて寒さを飛ばすのが仕事ですので、寒くない、汗をかいた、となればもう出番ではないのです。
その状態でも熱が下がらないなどの症状が残る場合は
また別の漢方薬の出番なのです。